石を彫っていると「石頭ですね」と言われることがある。
頑固者という意味だろう。
けれど彫刻家にとって石頭(せっとう)といえば、石を叩くためのハンマーのことでもある。
ノミを当てて石頭で叩く。カン、カン、と乾いた音がする。
その単純な作業を、私は長いこと続けてきた。
せきがはら人間村でも、石を据えたり動かしたりしながら時間を過ごしてきた。
石頭で叩くたびに、石はほんの少しずつ形をあらわす。
急いでも形にはならない。
長い時間の積み重ねによって、歴史も作られているのだ。
近持イオリ(彫刻家)
「クスノキだより」創刊号より
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